行方不明となった者との間の労働契約の終了

Q 2ヶ月間前に行方不明となった社員との労働契約は存続しなければならない?しなくてもいい?

A 退職とするには、当該社員による退職の意思表示が必要となりますが…行方不明となった者から意思表示を得ることは無理と思われます。
その他に労働契約の終了には、解雇・期間の定めある場合・整理解雇・退職勧奨などがあります。
今回の事由の場合、おそらく無断欠勤であると考えられるため解雇…懲戒解雇にしても差し支えないと考えられる。
しかし、解雇するには懲戒解雇事由を就業規則に定められており周知されていること、懲戒解雇の意思表示を当該社員に伝えることが必要となりますので、懲戒解雇による労働契約の終了とすることも厳しいでしょう。(民法で公示の方法による意思表示も認められています)
ですから、行方不明で労働契約を終了とするためには就業規則の退職事由に、社員が一定期間行方不明となった場合に退職する旨の条項を記載しておくことが必要です。


「情報漏洩対策から見た就業規則」

Q 先日、大手企業の技術情報が流出したとのニュースを見ました。
  当社でも、情報漏えい対策の一環として就業規則を改定しようと思いますが
  どのような点に留意すべきでしょうか

A 不正競争防止法上の営業秘密だけでなく、広く企業秘密について、秘密の範囲を
  特定したうえで、服務規律、懲戒事由、損害賠償規定、退職金の減額、没収事由等を
  規定しておくことが重要ポイントです。

 労働者には、労働契約上の付随義務として誠実義務があり、その中に秘密保持義務も含まれます。しかし、就業規則で服務規律として企業秘密保持義務を定め、その義務違反を懲戒事由として定めておかなければ、労働者が企業秘密を漏洩した場合であっても、秘密保持義務違反を理由に懲戒処分をすることは難しくなりますのでご注意ください。
 また、企業秘密が漏洩した場合、付随義務としての秘密保持義務だけでは、不法行為に
基づく損害賠償請求をする際に、法的保護に値する情報か否かに疑義が生じる可能性があります。債務不履行に基づく損害賠償請求ができるよう、企業秘密の範囲を特定し、秘密保持義務を契約内容とすることが重要です。
<ビジネスガイド8月号より>


「雇用保険の失業給付を受給している間は、家族の社会保険の被扶養者にはなれないのですか?」

Q 契約社員として働いていた会社を退職することになり、雇用保険から失業給付を受ける予定です。このような場合、家族の被扶養者になれず、給付受給中の医療保険は任意継続か国民健康保険に入ることになるのでしょうか?

A 雇用保険の基本手当だけでなく、傷病手当金の継続給付のように退職後も公的な制度から支給される給付を受け取る人を、被扶養者から一律に排除するような規定は、被扶養者認定についてはありません。
給付金額が被扶養者の認定基準である年額130万円未満であれば、法的には認定できない理由がありません。年収130万円を360日で除すると1日3,611.111・・・となりますので、基本手当日額が3,612円未満(60歳以上等は5,000円未満)で、かつ日額に360日を乗じた額が被保険者の年間収入の2分の1未満であれば年収要件をクリアし、扶養認定する組合が多いようです。しかし、この条件を満たすのは社会保険の標準報酬月額が16万円以下のみとなります。
また、健保組合によっては金額に関係なくこれらの手当てを受給している事実をもって認定を行わない組合もありますので、加入の健保組合に確認が必要です。

※自己都合による退職時の雇用保険失業給付までの待期期間、給付制限期間においては社会保険の被扶養者認定対象となります。


パートタイマーの就業規則は?

Q  パートタイマーに対する就業規則を作成しましたが、パートタイマー従業員からだけ、意見を聴取すればよいでしょうか?

A  労基法90条は、当該事業場の過半数を超える労働者が加入する労働組合がある場合には、その組合、それがない場合には、その事業場の過半数の労働者を代表する者の意見を聴取しその意見書を添付して、届出することにしていますので、その事業場において、パートタイマーを含む全労働者の過半数が加入している組合、それがない場合には、その事業場の全労働者の過半数の代表者の意見を聴取しなければなりません。


小さな企業も就業規則は必要?

Q  当社は従業員が25名おりますが、ほとんどがパートのため就業規則は作成していません。何か問題はありますか?

A  パート、アルバイトも含め従業員を常時10名以上使用している事業場は、就業規則を作成し所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。


パート、アルバイトの有給休暇制度は?

Q  当社では正社員に当然有給休暇の制度がありますが、パート、アルバイトにはありません。このような取扱いでよろしいでしょうか?

A  労働基準法上、パート、アルバイトも労働者であることから、正社員と同様に請求があれば年次有給休暇を与えなければなりません。ただし、所定労働時間が30時間未満で、かつ、所定労働日数が週4日以下のパート、アルバイトについては、労働日数に応じて権利として発生する休暇日数が少なくなります。ちなみに、発生する休暇日数は半年継続勤務、8割以上の出勤を条件として一般労働者10日、週4日のパート、アルバイト7日となっています。


給料の減額・・・注意すべき点は?

Q  従業員の勤務態度が悪く、遅刻もしばしばです。制裁として3ヶ月間給与を10%減らそうと思いますが、注意すべき点について教えて下さい。

A  減給の制裁を行う場合は、制裁の内容を就業規則に規定しておく必要がありますし、1回の事案による制裁は平均賃金の2分の1まで、また、一賃金支払期について数事案発生してもその合計額が、その支払期賃金総額の10分の1までという制限がありますので、ご質問のような制裁は許されません。


時間外手当の単価計算は?

Q  当社では、時間外手当の単価計算の基礎に基本給は当然含めていますが、皆勤手当などの諸手当は含めていません。法律上何か問題があるのでしょうか?

A  割増賃金の基礎に含めなくてよい賃金は、労働基準法施行規則に制限列挙されており、それ以外の賃金については含めなければなりません。具体的に含めなくてよい賃金は、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当(H11年10月1日追加)、臨時に支払われた賃金(慶弔見舞金等)、一ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナス等)です。


休憩時間を決めていませんが?

Q  お客様相手の仕事のため、休憩時間は決めていません。仕事の性質上やむを得ないと思いますが、問題はありますか?

A  交替制でもよいですから、労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は60分以上の休憩時間を労働時間の途中に与えることが必要です。